ボクサーの様に


迷いを断ち切れないままに 踏み出した事の結末は悲しい

分かり切っているはずなのに同じ道を 今日もまた歩いている

心が砕けるほど傷つき 信じる術さえ失った夜に

それでもなおひとすじの 光求め 朝を待ち立ち上がる


まるで四回戦のリングで 痛みをこらえて拳を繰り出す

人は孤独抱えたボクサー 力つきて倒れる時まで



心のなかに住む野生を 飼い慣らしながら暮しを重ねてゆく

時には何もかもぶち壊し 叫びたい事もある

空腹と痛みに耐えかね 投げ出す度に夢が遠のいてゆく

本当の自分 本当の勇気 分からないまま倒れてゆく


遠のいてゆく意識の中で 自分の弱さと戦い続けている

人は孤独抱えたボクサー 最終のゴングを聴くその時まで


与えられた運命の中を 傷つきながら戦い抜いてゆく

人は孤独抱えたボクサー 力尽きて倒れる時まで



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